この記事では、未経験からでもエンジニア転職を成功させたい方に向けて、転職市場で評価される資格やスキル、資格の取得方法、年収アップやキャリア構築に直結するポイントを徹底解説します。
資格が転職で有利になる理由と、具体的にどの資格が有効かを知ることで、効率的にキャリアアップを目指せます。
エンジニア転職に資格が有利になる理由

エンジニアとして転職を目指す際、資格は多くの企業で大きな評価ポイントとなります。
実務経験が少ない未経験者はもちろん、経験者であっても客観的なスキルの証明として資格は非常に重要です。
ここでは転職市場において、なぜ資格が有利に働くのかを詳しく解説します。
資格は知識・スキルの客観的証明となる
エンジニアの業務は専門的かつ多岐にわたるため、応募者ごとのスキルレベルを正確に判断するのは難しい場合があります。
その中で資格は、一定水準以上のIT知識や技能を持っていることを客観的に示す証拠となります。
特に、IPA(情報処理推進機構)などが実施する国家資格や、ベンダー認定資格は、採用担当者に安心感を与えます。
未経験者やキャリアチェンジ希望者のスキルアピールに有効
異業種からITエンジニアへ転職する場合や、業務経験が浅い場合でも、資格取得によって基本的なITリテラシーやプログラミング、ネットワークなどの基礎知識を保有していることの証明が可能です。
これにより「本気でエンジニア職に取り組む姿勢」や「自己学習能力の高さ」もアピールすることができ、選考時の評価につながります。
選考・配属において評価基準になりやすい資格一覧
資格名 | 主な特徴 | 評価されやすいポイント |
---|---|---|
基本情報技術者試験(FE) | ITの基礎知識・応用力の証明 | 未経験・若手層での評価が高い |
応用情報技術者試験(AP) | 幅広いIT分野の応用力を評価 | 中堅エンジニアとしての信頼性 |
CCNA | ネットワーク分野で世界的に有名 | インフラ/ネットワーク職で高評価 |
LPIC | Linux系サーバーの運用技術を認定 | サーバー・クラウドエンジニアに有利 |
情報セキュリティマネジメント | セキュリティ基礎の知識証明 | セキュリティ職や内部統制部門で有効 |
企業が資格を重視する背景
近年、IT人材不足やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、実践的な知識を持つエンジニアのニーズが急増しています。
社内教育コストの削減や即戦力化の観点からも、資格保有者を積極的に採用する企業が増加しています。
また、入社後のキャリアパスや職種配属の判断基準としても資格が活用されるケースが多く、特定の資格が昇格要件や手当支給の対象となる企業も少なくありません。
資格取得がもたらす自信とキャリア形成への効果
資格の勉強を通じて体系的に知識を整理できるため、未経験者でも現場で通用しやすい基礎力が身につきます。
また、現場での会話やプロジェクトでの業務をスムーズに進めるための「共通言語」としても資格取得は役立ちます。
そのため、転職活動時のアピール材料としてだけでなく、入社後の成長にも良い影響を与える重要な要素となっています。
エンジニアが転職で評価されるスキルと知識
エンジニアの転職において、単に資格を持っているだけでなく、実践的なスキルや幅広い知識も高く評価されます。
企業は即戦力となる人材を求める傾向があるため、知識の有無やスキルのレベルが選考の大きなポイントとなります。
以下では、エンジニアとして転職市場で評価される主要なスキルと知識について詳しく解説します。
転職で重視される主要スキル
スキル・知識 | 概要 | 具体的な活用例 |
---|---|---|
プログラミング力 | システム開発やアプリケーション作成に欠かせない基本的な技術。言語の種類によって職種や分野が異なる。 | JavaやPython、C言語によるWebサービスの開発、業務効率化ツールの構築など。 |
ネットワーク知識 | ネットワーク設計やインフラ構築・運用に必要な基礎知識。 | 社内LAN構築、クラウドサービスの設定・運用など。 |
情報セキュリティ | 情報漏えいや不正アクセスへの対策となるセキュリティ知識。 | セキュリティ監査、脆弱性診断、ログ管理体制の確立など。 |
データベース運用 | 大量のデータを効率的に管理・運用するための知識。 | SQLサーバやOracle Databaseの運用、データの正規化・最適化など。 |
クラウドサービス活用 | AWSやMicrosoft Azure、Google Cloud Platformなどのクラウド利用に関する知識。 | インフラのクラウド移行、SaaSの導入・運用など。 |
エンジニアに求められるソフトスキル
技術力だけでなく、コミュニケーション能力や課題解決力などの「ソフトスキル」も転職活動では重視されています。
プロジェクトの進行やチーム作業、クライアント対応において不可欠な要素だからです。
以下の表は、エンジニア転職で特に評価されるソフトスキルの例です。
ソフトスキル | 求められる理由 | シーン例 |
---|---|---|
コミュニケーション能力 | エンジニア同士や他部署、顧客との折衝や情報共有に必須。 | 進捗報告、要件定義ミーティング、トラブル対応など。 |
論理的思考力 | 複雑な課題の分解や、仕様通りの実装、エラー原因の特定に役立つ。 | バグ解析、システム設計、企画提案など。 |
自己学習力・向上心 | 最新技術へのキャッチアップやスキルアップができる人材が求められる。 | 新技術の独学、資格取得に向けた学習、業務外でのハッカソン参加など。 |
チームワーク | チーム体制での開発や運用が一般的であるため、協調性や協力姿勢が評価される。 | ペアプログラミング、コードレビュー、チーム会議など。 |
資格と実務経験のバランス
企業がエンジニア採用で注目するのは「資格」と「実務経験」のバランスです。
資格によって基礎知識や技術力の証明にはなりますが、実際の現場では経験や問題解決力が必要とされるため、双方を意識して身につけることが重要です。
例えば、基本情報技術者試験などで基礎力をつけ、多様なプロジェクト経験を積むことで、より高い評価を得ることができます。
トレンド技術への対応力
IT業界は技術の進歩が速く、AIやクラウド、IoT、DX(デジタル・トランスフォーメーション)などの最新分野への対応力も評価されやすいポイントです。
新しい技術トレンドをキャッチし、現場に応用できる柔軟性や適応力が今後ますます重要となります。
そのため、関連する資格や最新技術の基礎知識を学んでおくことが、転職市場での自分の価値を高める一歩となるでしょう。
未経験者におすすめのエンジニア資格
エンジニアへの転職を目指す未経験者にとって、資格取得は知識の基礎固めとともに、自分の意欲や学習能力をアピールできる有効な手段です。
以下では、IT未経験からエンジニアを目指す方に特におすすめできる代表的な資格3つについて、それぞれの特徴やメリット、取得後の活用例を詳しくご紹介します。
資格名 | 対象分野 | 難易度 | 未経験者向けのポイント |
---|---|---|---|
基本情報技術者試験(FE) | IT基礎知識・プログラミング | 初学者〜中級者 | IT業界のベーシックな知識を網羅でき、職種を問わず新卒・未経験に広く推奨されます。 |
ITパスポート | IT全般(ビジネス・マネジメント含む) | 初学者 | IT未経験者でも独学で合格が目指しやすく、社会人の基礎ITリテラシー証明として役立ちます。 |
CompTIA IT Fundamentals | IT全般・コンピュータ基礎 | 初学者 | 世界的に通用する資格で、機器や仕組みの基礎理解を証明でき、外資系やクラウド系にも有効です。 |
基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の中でも、ITエンジニアを目指す上での登竜門とされています。
コンピュータの基礎理論、ネットワーク、データベース、アルゴリズム、プログラミングといった幅広いIT技術分野の知識が問われます。
文系出身者・未経験者でも、しっかりと計画を立てて学習すれば合格が可能です。
合格することで、IT業界における基礎スキルを有する証明になり、エンジニア未経験の転職活動でもプラス評価となります。
また、SIerやソフトウェア開発企業の求人では、「基本情報技術者資格保有」を応募条件・歓迎条件とするケースも多く、将来のキャリアアップへ第一歩として最適な資格です。
ITパスポート
ITパスポートは、ITを活用する全ての社会人を対象とした国家試験です。
システムの仕組みやIT用語、セキュリティ、プロジェクト管理、経営戦略といった、幅広い基礎知識が問われます。
プログラミング経験や理系の知識がなくても受験しやすく、過去問を中心とした学習で十分合格水準に到達できます。
この資格は、ITエンジニア職だけでなく、総務や営業など異職種からのキャリアチェンジを目指す方にも最適です。
履歴書に書くことで「ITリテラシーへの関心と理解がある人材」として評価されやすくなり、未経験からの転職活動時に有利なアピールポイントとなります。
CompTIA IT Fundamentals(ITF+)
CompTIA IT Fundamentals(ITF+)は、国際的に認知されているIT基礎資格です。パソコンやネットワークの仕組み、セキュリティ、ソフトウェア/ハードウェアの基礎操作など、ITの全体像を理解する内容となっています。
英語試験ですが、日本語での受験も可能で、出題内容もシンプルなので本格的なIT学習の入り口として受験しやすい点が特徴です。
外資系企業や、グローバルなIT企業を目指す方にも評価されやすく、転職時の武器となります。
また、CompTIAシリーズ資格は、将来的にさらに高度なネットワークやセキュリティ系資格取得を視野に入れる方にもおすすめです。
キャリアアップに役立つ主要エンジニア資格10選
エンジニアとして転職やキャリアアップを目指す際、スキルや経験に加えて、信頼性や知識の裏付けとなる資格取得は大きな強みとなります。
ここでは、IT業界で幅広く評価されている主要な10種類の資格について、それぞれの特徴と転職市場における価値を詳しく紹介します。
資格名 | 主な分野 | 難易度 | 有効なキャリア領域 |
---|---|---|---|
応用情報技術者試験(AP) | IT全般・応用知識 | 中級 | システムエンジニア、プログラマー |
システムアーキテクト試験(SA) | システム設計 | 上級 | アーキテクト、ITコンサルタント |
ネットワークスペシャリスト | ネットワーク インフラ | 上級 | ネットワークエンジニア |
データベーススペシャリスト | データベース設計・運用 | 上級 | データベースエンジニア |
情報セキュリティマネジメント | セキュリティ管理 | 初級~中級 | セキュリティエンジニア、セキュリティ担当者 |
LPIC(Linux技術者認定資格) | Linux サーバー運用 | 初級~上級 | インフラエンジニア、サーバー管理者 |
CCNA | ネットワーク基礎 | 初級~中級 | ネットワークエンジニア |
オラクルマスター | データベース認定 | 初級~上級 | データベース管理者、アプリケーションエンジニア |
Pythonエンジニア認定試験 | プログラミング・Python | 初級~中級 | データサイエンティスト、Webエンジニア |
AWS認定ソリューションアーキテクト | クラウドソリューション設計 | 中級 | クラウドエンジニア、インフラエンジニア |
応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験は、IT業界全体で標準的な知識だけでなく、課題解決力や応用力が問われる国家試験です。
基本情報技術者よりも高度な内容となり、システム開発や運用に加え、マネジメントやストラテジー分野も幅広くカバーしています。
転職活動ではエンジニアとしての地力やITリテラシーの高さを証明できるため、大手企業やSIerの選考で高評価を得やすい資格です。
システムアーキテクト試験(SA)
システムアーキテクト試験は、複雑な情報システムの設計や要件定義、プロジェクト推進力を証明する上級資格です。
ITコンサルタントや上流工程を目指す人に必須の知識が問われるため、キャリアのステップアップやマネジメント志向のエンジニアにもおすすめです。
受験には応用情報技術者レベル以上の知識や経験があると効果的です。
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストは、専門的なネットワーク構築・運用・保守の知識とスキルを証明できる国家試験です。
企業のインフラ構築やセキュリティ設計の現場で活躍したい人に強く推奨され、即戦力として高く評価されます。
ネットワークの設計・障害対応・運用管理に携わりたい方にとっては重要なキャリアの指標です。
データベーススペシャリスト
データベーススペシャリストは、データベースの設計・運用・障害対策などに関する上級知識を有することが証明できる資格です。
安定したデータ管理や効率的なシステム構築の能力を求める企業にとって、この資格保持者は非常に魅力的です。特に金融業界や大規模Webサービス事業者で需要があります。
情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメントは、企業や社会インフラを守るためのセキュリティ対策やリスクマネジメントを実践的に学べる資格です。
セキュリティ部門担当者だけでなく、全てのITエンジニアに必要な基礎スキルとなっており、情報漏洩やサイバー攻撃に対する意識の高さをアピールできます。
LPIC(Linux技術者認定資格)
LPICはLinux環境の運用・管理スキルを認定する国際的な民間資格であり、レベル1~3まで段階的に難易度が分かれています。
サーバー構築やクラウド業務、DevOps分野で活躍したいエンジニアには欠かせない認定資格で、外資系やグローバル企業での転職にも有利です。
CCNA
CCNA(シスコ認定ネットワークアソシエイト)は、ネットワークの基礎知識から実践的な設定・運用スキルまでを網羅する世界的に認知された資格です。
ネットワークエンジニア職種で必須とされることも多く、グローバルなIT現場でも活躍するためのファーストステップとして推奨されています。
オラクルマスター
オラクルマスターは、オラクル社のデータベース製品に関する日本独自の認定資格で、BronzeからPlatinumまでのグレードがあります。
データベース開発や運用に携わるエンジニアにとって、日本国内の企業で高い需要を誇る資格です。
運用管理やチューニングスキルの証明にもなります。
Pythonエンジニア認定試験
Pythonエンジニア認定試験は、AIやデータサイエンス分野でニーズが拡大しているPythonプログラミングのスキルを客観的に証明できます。
未経験からでもチャレンジでき、Webアプリケーション開発や自動化、分析業務に強みをもちたい方に最適です。
IT市場のトレンドを踏まえたうえで取得しておきたい資格です。
AWS認定ソリューションアーキテクト
AWS認定ソリューションアーキテクトは、Amazon Web Servicesによるクラウドシステムの構築設計能力を問うグローバル認定資格です。
クラウドエンジニアやSIer、Webサービス企業でのキャリア構築において非常に重宝され、年収アップや新規プロジェクト担当のチャンスを広げてくれる資格といえるでしょう。
エンジニア資格取得の勉強方法とコツ
エンジニア資格は難易度が高いものも多く、効率的な勉強方法やコツを押さえることが合格への近道です。
この章では、独学での学習ポイントと、スクール・通信講座の活用法について体系的に解説します。
実務未経験の方でも資格取得に成功できるよう、具体的な勉強ステップやおすすめの教材選びもご紹介します。
独学で合格するためのポイント
独学でエンジニア資格を目指す場合、計画的な学習スケジュールと効率的なアウトプットが重要です。
以下の表に、主要資格ごとに推奨される学習期間と、効果的な勉強法、利用したい教材例をまとめました。
資格名 | 学習期間の目安 | 勉強法のポイント | おすすめ教材 |
---|---|---|---|
基本情報技術者試験(FE) | 3〜6か月 | 分野ごとの過去問演習と午前・午後対策のバランスが重要 | 公式テキスト、過去問題集、WEB模試 |
AWS認定ソリューションアーキテクト | 2〜4か月 | 模擬試験+実機ハンズオンでの理解定着 | AWS公式ホワイトペーパー、Udemy講座 |
LPIC(Linux技術者認定資格) | 2〜3か月 | 演習問題とコマンドライン操作の実践 | Ping-t、黒本、Linux環境構築 |
情報セキュリティマネジメント | 1〜2か月 | 要点整理とケーススタディ解説を中心に対策 | 公式テキスト、解説動画 |
計画的に進めるためには、月ごとの学習目標を立て、定期的な模擬試験で実力を図ることが有効です。
また、インプット(テキスト学習)とアウトプット(過去問題演習)のバランスを意識し、苦手分野は繰り返し解くことが合格への鍵となります。
特にIT用語やアルゴリズム分野は、毎日少しずつ暗記と復習を続けることで着実に力がつきます。
モチベーションを維持するコツ
独学では「学習ログ」を残し、毎日の進捗を可視化することも大切です。
SNSで勉強仲間を見つけて進捗を報告し合う、カレンダーに学習記録をつける、といった方法も効果的です。
また、勉強の習慣化を目指し、毎日決まった時間に学習するしくみを作りましょう。
スクールや通信講座の活用方法
独学が難しいと感じる場合や、より短期間での合格を目指す際は、ITスクールや通信講座の利用がおすすめです。
特に応用情報技術者試験やネットワークスペシャリスト、Pythonエンジニア認定試験など実践的なスキルが求められる資格では、体系だったカリキュラムや現役エンジニア講師の指導により弱点克服や実務力の向上が期待できます。
利用講座の種類 | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
通学型ITスクール | 対面指導、実機演習、就職支援が充実 | 直接指導を受けたい、仲間と学びたい方 |
オンライン講座・動画学習 | 好きな時間に学習、繰り返し視聴可能 | スキマ時間で着実に学びたい方 |
通信講座(添削式) | 課題提出とフィードバック、疑問解消も可能 | 自宅でじっくり学びたい方 |
最近では、ドットインストールやProgate、Schooなど初心者向けのオンライン教材の充実により、ウェブと書籍を組み合わせたハイブリッド学習も主流となっています。
くわえて、資格専門スクールでは分野ごとの対策講座やオリジナル問題集、模擬試験も提供されており、弱点克服や学習ペースの管理に大いに役立ちます。
効率的な活用のためのアドバイス
スクール・通信講座を選ぶ際は、無料体験や資料請求で講座内容やサポート体制を事前に確認しましょう。
また、転職サポートやキャリアカウンセリングが付帯するコースを選ぶことで、資格取得後のキャリア設計にもつなげることができます。
資格取得と現場で求められるスキルのギャップを埋めるには、座学と実践(プログラミング実習やインフラ構築演習)の両面から学ぶことが不可欠です。
エンジニア資格が転職や年収アップに与える影響
求人市場での資格の価値
近年、IT業界の人材不足が深刻化する中で、エンジニア資格の価値は確実に高まっています。
多くの企業が即戦力のエンジニアを求める一方で、未経験者や経験の浅い人材については、資格保持者を優遇する傾向が強まっています。
特に、国家資格である「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」、さらにはベンダー資格である「CCNA」や「AWS認定ソリューションアーキテクト」などは、求人の応募条件や歓迎要件に明記される例が増加しています。
資格があることで、IT基礎知識や専門スキルを第三者が証明できる点は、書類選考の通過率や面接時の評価にもプラスに働きます。
また、資格の学習過程で得られる最新技術の知識や業界トレンドの理解は、入社後の即戦力として企業から期待されやすくなります。
資格名 | 評価されやすい職種 | 求人数への影響 |
---|---|---|
基本情報技術者試験(FE) | システムエンジニア、プログラマー | 応募条件・歓迎要件に含まれる |
CCNA | ネットワークエンジニア | 必須要件となる場合もあり |
AWS認定ソリューションアーキテクト | クラウドエンジニア、インフラエンジニア | 高年収求人で優遇されやすい |
年収・キャリアパスの実例
エンジニア資格の保有は、年収アップやキャリアパスの広がりにも直接的な影響を与えます。
特定のIT資格は、入社時の初任給や昇給時の評価基準として採用している企業も多く、資格手当という形で月額数千円~一万円以上支給されるケースも見られます。
また、上位資格を持つことでリーダーやマネージャー職への道が開ける場面もあります。
下記の表では、代表的なエンジニア資格とその取得による年収事例やキャリアの違いをまとめています。
資格名 | 平均年収(資格保有者) | 主なキャリアパス | 資格手当の有無 |
---|---|---|---|
基本情報技術者試験 | 400万~550万円 | プログラマー → システムエンジニア | 有(一部企業にて月5,000~10,000円) |
応用情報技術者試験 | 500万~650万円 | システムエンジニア → プロジェクトリーダー | 有(月10,000円前後) |
CCNA | 430万~600万円 | ネットワークエンジニア → インフラエンジニア | 有(月5,000円~) |
AWS認定ソリューションアーキテクト | 550万~800万円 | クラウドエンジニア → クラウドアーキテクト | 有(月10,000円~20,000円) |
エンジニア資格の取得は、単なる知識の証明だけでなく、転職市場での競争力強化や年収アップ、さらには中長期的なキャリア形成においても非常に大きなメリットがあります。
特に、未経験からの転職や異業種からIT業界を目指す場合、資格は実務経験の不足を補い、ポテンシャルの高さを示す力強い武器となります。
未経験からエンジニア転職に成功するためのステップ
エンジニア未経験からの転職は不安が大きいものですが、正しいステップを踏むことで内定獲得やキャリアチェンジを成功させることができます。
ここでは、未経験者が効率的にエンジニア転職を目指すための具体的な方法やポイントを解説します。
履歴書・職務経歴書で資格をアピールする方法
履歴書や職務経歴書は、あなたの経歴やスキルを企業に伝える大切な書類です。
未経験の場合、自己PR欄や資格欄で取得済みのIT系資格をしっかりと明記しましょう。
特に「基本情報技術者」「ITパスポート」「CompTIA IT Fundamentals」などの未経験者向け資格は、「基礎的なIT知識があり、学ぶ姿勢がある証拠」として好印象を与えます。
また、資格取得の勉強過程で学んだ内容や、課題解決のエピソードを短く具体的に書くと説得力が増します。
資格名 | アピールポイント例 |
---|---|
基本情報技術者試験 | ITの基礎理論から実務知識まで幅広く学習し、論理的思考力と課題解決力を習得 |
ITパスポート | 情報技術の活用とビジネススキルの基礎を理解し、IT業界への適応力を証明 |
LPIC レベル1 | Linuxの基本操作・管理スキルを独学で取得し、実践への意欲をアピール |
資格取得日や受験団体、取り組み方も記載することで、学習意欲と主体性を強調しましょう。
面接での資格の活かし方
面接では資格そのものの知識ではなく、「なぜその資格を取得しようと思ったのか」「学んだことで何が変わったか」「今後どう活かしたいか」といった、行動力や成長意欲、実際の業務への応用可能性をアピールすることが大切です。
たとえば、「基本情報技術者試験の勉強を通してプログラミングの基礎を理解し、興味のあったPythonを独学で学び始めました」など、スキルアップへの自主的な取り組みを伝えましょう。
また、資格取得がゴールではなく、『業務で役立てたい』『継続して上位資格を目指す』という将来への意欲も述べることで、成長性をアピールできます。
質問例 | 答え方のポイント |
---|---|
なぜその資格を取得しましたか? | 目標や志望動機につなげて、自発的な挑戦であることを強調 |
どのように学習しましたか? | 具体的な勉強計画や工夫した学習方法を説明 |
得た知識をどのように活かしたいですか? | 将来の業務やキャリアのビジョンと関連付けて話す |
未経験者が実践すべき転職活動の流れ
未経験でエンジニアを目指す際には、順序立てた行動が重要です。
転職活動の主な流れは以下の通りです。
ステップ | 具体的な内容 |
---|---|
1. 業界・職種研究 | IT業界やエンジニア職種の違いを調査し、自身の希望や適性に合った分野を決定 |
2. 必要な資格・スキルの把握 | 求人情報や企業サイトで求められる知識や資格を確認し、目標を定める |
3. 資格取得・ポートフォリオ作成 | IT関連の資格勉強と並行して、自主制作のアプリやWebサイトなど成果物を準備 |
4. 応募書類作成・応募 | 資格やスキルを明確に伝えるための履歴書・職務経歴書を作成し、企業へエントリー |
5. 面接対策 | 未経験者向けの質問や自己PRを準備し、模擬面接で練習する |
6. 内定・入社準備 | 入社後に必要なスキルの再確認や追加の学習をスタート |
転職エージェントやスクールの活用
独学と並行して、転職エージェントやプログラミングスクールのサポートを受けるのも効果的です。
エージェントを利用することで、非公開求人の紹介や書類添削、面接対策、業界専門のアドバイスを受けることができます。
また、プログラミングスクールはカリキュラムやメンター制度により、最短距離でのスキル獲得が可能です。
サポート内容 | 具体的な例 |
---|---|
転職エージェント | IT業界に強いエージェントによるキャリア相談、求人紹介、書類添削 |
プログラミングスクール | 未経験向けカリキュラム、ポートフォリオ作成サポート、業界と連携した就職支援 |
転職活動を効率良く進めるために、これらのサービスは積極的に活用しましょう。
未経験からでも正しいステップと学びの積み重ねでエンジニア転職を実現できます。
まとめ
エンジニア転職では、資格取得が知識やスキルの証明となり、未経験からでも転職や年収アップの大きな後押しとなります。
特に基本情報技術者試験やLPIC、AWS認定ソリューションアーキテクトなど実務に直結する資格は求人市場で評価されています。
資格取得と現場での経験を組み合わせて、キャリアアップを着実に目指しましょう。