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会社のビジネスモデルで変わるエンジニアの働き方

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未経験からIT業界を目指す人にとって、「どの職種が適切か」はもちろんのこと、「どの業態の企業に転職すべきか」も悩ましいポイントではないでしょうか?

IT業界の未経験者採用が活発化してきてから、SNSやYouTube等で「自社開発がいい」「SIerが良い」「SESはやめとけ」など、あらゆる意見や動画が拡散されております。

但し、これらについては絶対的な答えはなく、ビジネスモデルによってエンジニアの働き方が変わるため、発信者の体験や、様々な意見・解釈が世の中に流れているからです。

特定の意見を鵜呑みするのではなく、どの業態の企業(ビジネスモデル)が自分に合うかを見極めるために、3つのビジネスモデルの特徴やメリットを理解していきましょう。

目次

自社開発

特徴

自社開発企業とは、自社でシステムやサービスを開発・運営する会社のことを指します。そのため、自社開発企業で働くエンジニアは、自社のシステムやサービスを開発することがメインの仕事となります。

また、クライアントに納品して終わりではなく、そのサービスを利用したユーザーからのフィードバックをもとに、新たな開発や改修を行い、より良いサービスを作り上げていきます。

但し、一部の業務に関して、受託開発企業や委託業務などへ仕事を発注することもあるため、「自社開発」=「自社で全てを開発」とは一概には言えません。

メリット

自社開発の大きなメリットとしては、クライアントから発注を受けてではなく自社が開発するサービスに携わるため、自分自身が興味のあるサービスや分野に長期的に関わることができることです。

また、ある程度は扱う技術が決まっているため、自身が得意とするもしくは興味のある技術を扱っている企業で、それらの技術を深く追求することができるでしょう。

働き方としては、最近でさえコロナ禍でリモートワークが増えましたが、それ以前からもフレックスタイム制やリモートワークが導入されている企業が比較的多くあります。また、自社のサービス開発であることから、後述のSIerやSES と比べ、納期やスケジュールに追われるケースは少ないでしょう。

自社のサービスがどれだけ世の中で受け入れられるかが、自社開発企業の利益の源になります。そのため、市場のニーズや動向に注目しておく姿勢や、より効率的な開発のために最新技術を吸収する姿勢が求められます。

受託開発(SIer)

特徴

SIer業界は、システムインテグレーターの略称で、クライアントの要望に合わせてシステムやソフトウェアの開発・運用などに関わる企業のことを指します。

システム構築の全体の流れの中で、一般的には、顧客企業やその企業の情報システムを担当する部門がシステムの「企画」を行います。その後、SIerが「要件定義」「設計」「開発・テスト」の工程を請け負うケースが多いでしょう。

企業設立の経緯から、SIerは以下のように5つに分類されます。
・メーカー系SIer
・ユーザー系SIer
・独立系SIer
・コンサル系SIer
・外資系SIer

代表的な企業としてはメーカー系が多く、富士通、日立製作所、NEC、NTTグループなどが挙げられます。また最近では、独立系のSkyや商社系のSCSKなどがCMでも目にすることが多く、知名度が高まりつつあります。

メリット

SIerでは、システムの開発から運用までを一括で請け負っていることが多いため、開発の最初から最後まで参画することが多くなります。

そのため、SIerで働く大きなメリットとして、上流工程から下流工程や運用保守など、あらゆる工程を経験できるため様々なスキル習得ができることです。また、プロジェクトを進めていく中で、発生した問題等に対して対応していくなど、技術スキル以外のスキルアップにもつながるでしょう。

但し、下流工程(プログラミング・テストなど)については、SESや業務委託などへ発注することもあります。そのため、どちらかと言えば上流工程の業務が多く、プログラミングなどの実務経験やスキルが身につきにくい可能性があります。

また、比較的会社が安定していることも、大きなメリットとなります。多くのSIer は親会社や関連会社から独立し設立されています。そのため、親会社の経営が安定していると、子会社である SIer も安定しているといえるでしょう。

客先常駐(SES)

特徴

SESとは、System Engineering Serviceの略称で、IT業界特有の業務形態となります。

SES企業は、クライアント企業と準委任契約(SES契約)を結び、エンジニア(技術力)をクライアント企業へ派遣し収益を得ています。

そのため、システムを納品して収益を得ているSIerとは大きく異なり、エンジニアの技術力に応じた報酬が会社の収益となるのが特徴です。また、クライアント企業での勤務となるため、エンジニアはクライアント企業に常駐し、開発・運用・保守などクライアント企業が指定した業務を担当します。

契約期間でクライアント企業に常駐して働くという点では、イメージとして人材派遣に近い業務形態ともいえるでしょう。

メリット

SESは、短期間での契約の業務の方が比較的多い傾向にあります。そのため、多くの企業において業務に携わることができ、プロジェクト内容も派遣される企業によって異なるため、多種多様な業界の知識・経験・技術力を習得できるでしょう。

但し、上流工程の業務は自社開発やSIerが行い、下流工程から参入するような場合も多いため、上流工程に携わる機会は比較的少ないでしょう。

未経験からIT業界への転職を目指している人にとっては、SESは未経験からでも採用する企業が多く、自社開発や SIer に比べて転職はしやすいことも、大きなメリットとなります。未経験者であっても、所属する企業の先輩や同僚と一緒に案件に入ることが多いため、業務の中で新しいスキルや知識が身に付きやすいといえます。

また、業務や環境が自分自身に合っておらず精神的に辛く感じた場合などは、「現場を変えたい」という旨を所属企業に伝えれば、短期間で他のプロジェクトに変更してもらえるなどの融通が利くこともあります。

未経験者にとってどれが一番いい?の答え

ここまでで見てきたように、自社開発・SIer・SESではそれぞれ業務形態が異なることから、担当範囲や携わるサービス、プロジェクトに関わる期間など様々であることがわかりました。

「興味のあるサービスに関わりたい!」という人が、SESに転職をしたとしても、どの案件に参入できるかはタイミング次第なので、自社開発企業がいいでしょう。逆に、あらゆるプロジェクトで様々な技術を習得したいという人は、自社開発企業では実現できません。

このように、自分がしたいことや将来なりたい姿を見据えた上で、自分自身に合う企業選びをすることが大切といえるでしょう。

まとめ

IT業界の、3つのビジネスモデルの特徴とメリットについて解説してきました。

これらは、IT業界特有の業務形態となり、はじめてIT業界のことを学んでいる人にとっては、とっつきにくい内容となるかもしれません。

しかし、それぞれの役割や構造を理解しておくことは、転職した後に思っていた業務と違うなどというギャップが生まれにくくなり、非常に重要な知識といえるでしょう。

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