IT業界には、開発をするエンジニア以外にもあらゆる職種が存在し、システムやサービスを運用していくためには必要不可欠な人たちがいます。
その役割を担っているのが、運用保守業務を行うエンジニアとなります。また、運用保守の仕事は、IT未経験者でも比較的始めやすい職種であることが大きな特徴です。そのため、これからIT業界への転職を考えている人にとっては1つの選択肢となるでしょう。
この記事では、運用保守業務における職種と業務内容について、詳細まで解説していきます。
運用・保守とは
どんな仕事?
「そもそも運用保守業務が具体的に何をしているのかわからない!」という人もいるのではないでしょうか。
運用保守業務とは、開発されたシステムやサービスが、安定して稼働し続けるようにする業務のことを指します。
大規模なシステムであればあるほど、システムが停止してしまうと、数百万円から数千万円の損失に繋がります。最近では、マクドナルドが一時的にシステムが停止してしまい、レジ業務やスマホからのオーダーを受け付けることができなくなりました。
こういったことが起こらないように、日々システムの面倒を見てあげるのが、運用保守の業務なのです。システム開発やITコンサルティング業務に比べて地味に見られがちですが、運用保守業務はシステムを支えている非常に重要な役割といえるでしょう。
代表的な企業
システムの運用保守業務については、NEC、富士通、日立製作所など大手企業が支社や子会社を通してサービスを展開しています。
具体的には、以下のような企業が規模が大きく、子会社とは言え大企業に値する企業となります。
・NECの関連会社である「NECフィールディング」
・日立製作所の子会社にあたる「日立システムズ」
・富士通の子会社である「富士通エフサス」
・BIPROGYの子会社である「ユニアデックス」
また、システム開発を行うSIerやITコンサルティング会社が、システムのリリース後も引き続き運用保守サービスを提供し続けるようなケースもあります。
主な職種と業務内容
ここまで、運用保守業務と一括りにして解説してきましたが、その中にも役割分担があり複数の職種が存在します。
どちらかと言えば、システム運用をサポートする役割であるため、普段は表には出ずあまり知られていない職種ですが、上述の通りシステムを正常に動かしていくためには必要不可欠といえるでしょう。
大きく分けて以下の4つの職種について、概要と業務に内容について詳しく解説していきます。
・運用保守エンジニア
・オペレーション
・ヘルプデスク
・カスタマエンジニア
運用保守エンジニア
名前の通り、システムの運用保守を担うエンジニアのことを指します。
開発されたシステムが実際に使用されていく中で、システムトラブルが発生することもあります。その場合、運用保守エンジニアが、顧客やオペレーターから報告を受けシステムトラブルに対する問題解決を行います。
一時的な問題解決だけでなく、システムトラブルが発生した原因を調査し、原因となる部分の改修も運用保守の仕事です。また、顧客の要望に応じてプログラムやデータの改修を行うこともありますが、大きな改修になる場合は開発チームが担うことの方が多いでしょう。
定期的にOSやネットワークの稼働状況を確認し、問題がないことやメンテナンスが必要な時期などを顧客に報告することも、運用保守エンジニアの業務の1つとなります。
所属する企業により業務範囲は様々ですが、顧客からシステム仕様の質問を受け調査を実施したり、ユーザー情報等のデータ抜き取りなども、運用保守エンジニアが行うこともあるでしょう。
監視オペレーター
監視オペレーターは、システムに異常が発生した場合に対応する役割を担います。
ネットワーク、データベース管理システム、プログラムなどが正しく動いているかを確認し、アラートが発生したり異常を見つけ次第エスカレーションを行います。一番初めにシステムのエラーを検知する役割ともいえるでしょう。
また、運用エンジニアからの依頼に応じて、コンピューターの操作や設定変更、必要に応じたシステムの起動や停止もオペレーターが実施することもあります。
ヘルプデスク業務
ヘルプデスク業務は、システムや普段使用しているPCに関する様々な問い合わせ等に対応し、ユーザーをサポートする仕事になります。
運用中のシステムに関する顧客向けのヘルプデスクもあれば、社員からの問い合わせに対応するために企業で設置されているケースもあります。
多くは電話やメールによる遠隔での対応となります。また、基本的にはマニュアルや手順書に沿って対応しますが、ヘルプデスクでは負いきれないことは運用や開発チームに連携することも発生するでしょう。
カスタマエンジニア
カスタマエンジニアは、顧客企業やシステムのあるデータセンターに常駐もしくは訪問し、サーバーやネットワーク機器、パソコンなどのハードウェアの点検を行います。
点検だけでなく、故障したものを修理したり正しく動くものに入れ替えたり、実際に手を動かす作業もカスタマエンジニアが担当します。
また、システムの導入に向けた環境構築、データやアプリケーションの初期設定などをサポートするのも、カスタマーエンジニアの役割です。システムがリリースされてからユーザーが困らないように、操作手順の説明や使い方のレクチャーも行います。
運用保守エンジニアになるには?
システムの理解とインフラ知識
運用保守業務を行う上で必要とされることとしては、担当するシステムに関する知識、さらにはサーバやネットワークなどのインフラ部分の知識も求められるでしょう。
具体的には、システムはサーバやネットワーク機器などあらゆる要素が組み合わさり動いているため、不具合が発生した際に、その原因がプログラムの部分にあるのか、サーバやネットワーク機器にあるかを見極める必要があります。
但し、これらは担当する業務にもよります。ヘルプデスクなどでは、インフラ部分の深い知識が必要な時は専門部署に問い合わせなどを行うこともあるため、求められる知識としては比較的難易度が低めとも言えます。
コミュニケーションスキル
システムに問題や不具合が発生した場合、不具合の原因を素早く把握し、顧客への報告や、社内やチーム内でのコミュニケーションが必要となります。
どのような体制を取っているかによりますが、システムの運用保守担当者に、顧客から直接問い合わせや調査依頼が入ることも少なくありません。そのため、顧客の問い合わせ内容を正しく理解し、IT知識が十分でない顧客に対しても、正確にわかりやすく伝える能力が求められるでしょう。
また、基本的に運用保守業務はチーム体制で行うことが多いため、1人で業務を完結するわけでなくチーム内のコミュニケーションも重要となるでしょう。
まとめ
システムが動いていく中で「なぜ運用保守業務が重要なのか」、また、運用保守業務における職種と業務内容についての詳細を解説してきました。
前述の通り、運用保守業務は、マニュアルや過去対応方法などを参考に進める業務が比較的多く、開発エンジニアほどの知識やスキルは求められません。そのため、IT業界未経験者でも積極的に採用を行っている企業も多く、未経験者でもはじめやすい職種といえます。
まずは、運用保守から経験を積み、Webエンジニアやインフラエンジニアなどにステップアップしていくのも、IT業界のキャリアプランの1つの選択肢となるでしょう。