IT業界へ転職を考えていると、「転職活動に役立てるために資格を取得しよう!」「資格取得を通して学習を進めたい。」という人も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな方に向けて、資格を取得するメリットから未経験者に役立つ資格4選について解説していきます。
まずは、資格取得を通して得れることを理解し、具体的にどんな資格が未経験者にとって適切かを知っていきましょう。
資格を取得するメリット
スキルが習得できる
資格取得をすることの大きなメリットとして、スキルや知識を習得することができることが挙げられます。
資格を取得しようとすると、合格点以上を目指す過程で、問題に対して回答できるだけの知識や理解が求められます。そのため、必然と知識が身に付き、転職活動時や今後のキャリアにも役立つものとなるでしょう。
また、後半で取り上げる「ITパスポート」等の取得に向けて学習することで、職種問わずIT業界で働く上で必須ともいえる、ITの基盤となる知識を網羅的に身につけることができます。
知識レベルの証明になる
資格を取得しておくことで、面接時等に一定の知識を身につけているというアピールポイントになります。
また、自ら学習をして資格取得という目標に向かって努力する姿勢は、継続して学ぶことができるという評価に繋がる可能性があります。
資格を持っているからといって即採用とはなりませんが、より難易度の高い資格ほど、それに見合うだけの意欲や適正があることの証となり、評価されやすくなるでしょう。
転職後にも役立つ
企業によっては、高難易度のIIT資格を取得していると、基本給とは別に「資格手当」が支給されることがあります。また、昇給や昇進の審査に、資格取得の有無が影響することもあります。
そのため、資格を取得することで、面接時のアピールポイントの一つになるだけではなく、入社後のエンジニアとしてのスキルアップにも繋がるため一石二鳥といえるでしょう。

ITパスポート
概要
ITパスポートとは、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家資格です。資格取得を通して、ITや経営全般に関する社会人に必要な基礎知識を身に付けることができるでしょう。
情報処理に関する知識と技能を認定する試験として、IPAが主催する「情報処理技術者試験」というものがあります。ITパスポートはその中のひとつで、一番エントリーレベルが低い試験と位置づけられています。
受験資格(年齢・性別・学歴・受験に必要な資格など)がなく誰でも受験できるため、受験者数も多く有名な国家資格となります。
取得に向いている人
ITパスポート取得のために学習することでは、以下の内容を基礎レベルで網羅的に学ぶことができます。
・コンピュータの仕組みに関する知識
・ソフトウェアやハードウェアに関する知識
・ネットワークやデータベースに関する知識
・セキュリティに関する知識
そのため、「IT業界への転職に興味はあるけど何から始めたらいいかわからない人」や、「まずは基礎からITの知識を網羅的に身に付けたい人」に向いている資格といえるでしょう。
また、知識0から始める人の学習時間の目安としては、個人により前後はありますが、1日2時間の勉強をすれば3カ月程度で合格を目指せると言われています。
基本情報技術者試験
概要
「基本情報技術者試験」は、IPAが主催する情報処理技術者試験のひとつであり、前述したITパスポート試験の上位版ともいえます(スキルレベル2)。
ITパスポート試験と同じく、コンピュータの基礎から、経営とIT、プロジェクトマネジメントに至るまで、ITに関する知識を幅広く学ぶことができます。ITパスポート試験との大きな差は、試験が午前と午後に分かれ、午後の試験ではプログラミングに関する出題があることです。
ITパスポートが基礎の基礎だった一方で、「基本情報技術者試験」はIT業界で働く人の登竜門と言われており、実践的なITに関する知識・スキルが証明できる国家資格となります。
取得に向いている人
登竜門と言われている通り、システムエンジニアやプログラマーなど、ITエンジニアが共通して理解しておくべき知識を網羅的に学習することができます。
そのため、IT業界を目指している人または働くすべての人にとって、役に立つ知識を得ることができます。ITパスポートよりも広範囲かつ難易度を上げて挑戦したい人にとっても、向いているでしょう。
また、基本情報技術者資格を取得することで、基本的なIT知識を持っていることの証明ともなります。IT業界へ転職活動をする際の大きな武器となるため、転職活動中の人にとっても役に立つ資格となります。
シスコ技術者認定資格(CCNA)
概要
シスコ技術者認定資格は、ネットワーク機器メーカー大手のCisco社が主催するネットワークの認定試験です。
ネットワークの世界では最も有名な資格と言われています。ネットワークに関する基礎知識が求められ、ネットワークエンジニアの入門資格というような位置づけとなります。
この資格の取得を通して、ネットワーク技術の理解が深まり、ネットワーク機器の操作スキル、構築スキルも身につきます。また、シスコシステムズ社の製品などに関する基礎知識・技術があることの証明ともなります。
取得に向いている人
ITパスポートなどで基礎知識を学んだ上で、さらにネットワーク分野を深堀りしたいような人や、インフラエンジニアに興味がある人に、オススメの資格といえるでしょう。
特に、CCNAの取得に必要な、ネットワークやシスコ製品の知識は、「ネットワークエンジニア」の仕事に直結するものとなります。そのため、ネットワークエンジニアを目指す人にとっては、転職活動時の知識やスキルのアピールにも繋がるでしょう。
Linux認定資格(LPIC-1)
概要
Linux認定資格、Linux(世界中で広く普及しているOS)の知識と技術を持っていることを証明できる資格となります。
似ている資格として「LinuC」というものがありますが、こちらはLPI-Japanが提供する日本国内で開発した資格であるのに対して、LPICは国際的に通用する認定試験という違いがあります。
資格の取得を通して、Linuxに関する基礎知識、さらには仮想化技術やサーバー構築、セキュリティなどの専門知識など幅広い知識を習得することができるでしょう。
取得に向いている人
ITパスポートなどで基礎知識を学んだ上で、さらにPCの土台となるOS関連に興味を持った人や、インフラエンジニアに興味がある人に、オススメの資格といえるでしょう。
インフラエンジニアの仕事では、サーバーを扱う機会が多く、サーバーの構築や保守の業務をする際にはLinuxの知識が必須といえます。そのため、資格取得を通して得た知識やスキルは、転職後の実務でも必ず活かせるものとなるでしょう。
また、インフラ系への興味や知識を証明となるため、転職活動の際にはアピールポイントの1つとして活かせる可能性もあります。
まとめ
IT関連の資格を取得するメリットから、未経験者に役立つ資格4選について詳しく解説してきました。
一般的に広く知られているような「ITパスポート」や、IT業界に興味を持って初めて耳にするようなインフラ関連の資格など、分野の異なる資格が多く存在するのです。
自身のスキルアップや知識の証明に繋がる可能性があるというメリットを踏まえ、適切な資格取得を通して将来のキャリアや転職に是非役立てていきましょう。