「プログラミング言語」と言えば、エンジニアを目指している人やIT業界に興味がある人にとって、最初のとっかかりとなる言葉の1つにあたるでしょう。
とはいえ、「プログラミング言語」が具体的にどんなものなので何ができるのかなど、イメージが漠然としている人も多いのではないでしょうか。
これからプログラミング言語を学ぶためには、プログラミング言語の役割や用途を理解し、自分自身に合った言語を選ぶことが重要となります。
そこで、今回はプログラミング言語の基礎知識・種類・特徴など、未経験者の方向けに幅広くお伝えしていきます。
プログラミング言語とは何か
はじめに、「プログラム」とはコンピューターに与える指示書にあたります。
その指示書を、コンピューターが理解できるように書くための言語を「プログラミング言語」と言います。
本来、コンピューターは「0」や「1」で表されたマシン語しか処理できないのですが、数字が羅列されているだけのマシン語は人間にとっては理解しづらいものです。
そのため、プログラミング言語でプログラムを作り、それをコンピューターが読めるようにマシン語に変換し処理を行うという仕組みになっています。
どの言語を選べばいいのか
最終的に、コンピューターが理解できるマシン語に変換ができれば、どのプログラミング言語でプログラムを書いても問題はありません。
にも関わらず、選びきれないほどのプログラミング言語が存在する理由としては、プログラムが使われる用途に合わせて適した言語を使用する方が人間(プログラマー)の負担が減るためです。そのため、今存在しているプログラミング言語は、基本的に用途に応じて生まれてきたものとなります。
以上のことから、未経験からIT業界を目指すにあたり選ぶプログラミング言語は、「つくりたいもの」や「やりたいこと」から必然と決まってくると言えるでしょう。では、次にそれぞれのプログラミング言語にどのような特徴があるかを紹介していきます。
プログラミング言語の種類と特徴
ここでは、未経験からIT業界を目指すにあたり、最初の一歩として難易度が比較的低い言語、または初めての業務で使用する可能性が比較的高い言語に絞り、それぞれの特徴をお伝えしていきます。
Ruby
「Ruby」は、WebアプリケーションやWebサイト開発のサーバーサイド側で使用されることが多い言語となります。
文法がシンプルで少ないプログラムのコードでWebアプリケーションを開発できることから、未経験者にもおすすめのプログラミング言語と言われています。また、その特徴から、より早くサービスを立ち上げるためにスタートアップ企業などで採用される傾向にあります。
また、Rubyは日本人によって作られた言語ということもあり、日本語の参考情報が豊富にあります。そのため、学習で行き詰ったとしてもWeb上で解決しやすく初心者でも挫折しにくいと言えるでしょう。
「Ruby」と混同されやすい言葉に「Ruby on Rails」があります。「Ruby on Rails」とは、プログラミング言語の一種である「Ruby」のフレームワークのことです。フレームワークとは、Webアプリケーションやシステムを開発するために必要な機能があらかじめ用意された枠組みのことを指します。
Javascript
「Javascript」は、WebアプリケーションやWebサイトのユーザーから見える部分の開発で使用されることが多い言語となります。
具体的には、Webページに動きをつけたり、ボタンに触れると形や色が変わる機能やポップアップウィンドウの表示など、ユーザーが触れる部分においてあらゆる機能の実装に用いられます。このような言語の特徴から、フロントエンドエンジニアを目指したい人にとっては必須の言語とも言えるでしょう。
また、Node.jsというJavascriptの実行環境を使用することでサーバーサイド側の開発もできるようになることから、非常に汎用性の高いことが大きな特徴です。
「JavaScript」と混同されやすい言葉に「Java」があります。名称が似ていることから関連性があるように見えますが、プログラミング言語としては全く別のものとなり、用途や実現できる機能も異なります。
Java
「Java」は、システム開発やWeb開発のサーバーサイド側で使用される言語となります。
大きな特徴としては、実行する環境に依存せず汎用性が高いことが挙げられます。そのため、業務システム開発、Webアプリケーション開発など使える場面が多岐にわたり、さまざまな開発に利用されています。特に、企業での大規模システム開発やAndroidアプリの開発を得意とし、昔から重宝されている言語と言えるでしょう。
一方で、未経験から学習を進めるという観点では、比較的難易度が高くなります。上述の「Ruby」とは対照的で、文法やコードの書き方が少し複雑になり挫折してしまうケースも多々あります。但し、多くの業務で使用されている言語であることから、一度習得すれば非常に重宝されるスキルとなるでしょう。
Python
「Python」は、あらゆる分野の開発に対応できるプログラミング言語です。具体的には、Webアプリのサーバーサイドの開発をはじめ、人工知能や機械学習など近年注目されているAI分野で積極的に利用されています。
小規模~中規模プログラムの開発を得意とし、それぞれの開発用途で便利な機能が搭載されているライブラリやフレームワークが充実しているため、Pythonが採用されるケースが多くなってきています。
また、「Python」は文法やコードの記述がシンプルな言語で、未経験者にとっても学習を進めやすいという特徴もあります。市場ニーズも高く学習しやすいという観点から、今後ますます人気の高まるプログラミング言語となるでしょう。
SQL
「SQL」は、ここまで紹介してきたプログラミング言語とは用途が大きく異なり、データベースを扱う言語となります。
ほとんどのWebアプリケーションやWebサイトでは、ユーザーや商品などの情報を管理するためのデータベースというものが存在します。そのデータベースに対して、データを追加したり欲しい情報を取ってくるなどの操作ができる言語が「SQL」にあたります。
「SQL」は、あくまでもデータベース上のデータ操作に特化した言語で、プログラムの開発自体をすることはできません。しかし、多くのシステムでデータを扱っていることから、開発を進めるにあたり必須の言語となります。
また、近年ニーズが高まっているデータサイエンティストにとっても、データの調査や集計を行うにあたり「SQL」は必須のスキルとなるでしょう。
作りたいものがない場合は…?
ここまでで、それぞれのプログラミング言語の特徴を見てきましたが、そもそも「作りたいものはないけどプログラミングの勉強をはじめたい」場合もあるかもしれません。
その場合は、未経験者が比較的容易に習得しやすい言語や、ネット上から情報やヒントを得やすい言語からはじめてみるといいでしょう。
また、身近な人が使っていて「教えてもらうことができる言語」や、単純に面白そうだなと感じたものを選んでみましょう。
まとめ
プログラミング言語とは何か、そして多くのプログラミング言語が存在する理由から、未経験者におすすめのプログラミング言語を紹介してきました。
未経験者がプログラミング言語やプログラムの仕組みを理解するには、一朝一夕のことではありません。そのため、挫折する人も少なくありません。
しかし、多くの学習時間や諦めない姿勢が必要という心構えで、1回で理解できなくとも落ち込まず繰り返し学習することが重要だと言えるでしょう。